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なぜバイデン政権の対日政策が重要なのか

ランド研究所のジェフリー・ホルヌングが1月26日に発表した論説記事「なぜバイデンの日本問題が重要なのか」で、バイデン政権の対日政策がどのような意義を持っているのか解説しています。

Jeffrey W. Hornung, Why Biden's Japan Agenda Matters, Commentary(The Hill), The RAND Blog, January 26, 2021.

2021年1月に発足したばかりのバイデン政権は対日政策を重視する姿勢を示しており、これは日本の防衛にとってよいニュースであるといえます。

トランプ政権の下でも米国の日本に対する態度は、例えばヨーロッパの北大西洋条約機構の加盟国に対する態度や、韓国に対する態度よりも安定的でした。しかし、まったく問題がなかったというわけではなく、特に環太平洋パートナーシップ協定から撤退するという米国の決断は日本を失望させるものであったと著者は指摘しています。

それでも全般的に日米関係が安定していた理由は、日本の総理大臣だった安倍晋三がトランプとの関係をうまく管理できていたためであると説明されており、米国に対して肯定的な印象を持つ人の割合もさほど低下していないことがデータで裏付けられています。

2016年から2019年までの期間区分で日本の内閣府が実施した世論調査によれば、米国に対して友好的な考えを持つ人の割合は84%から79%に減少しているにすぎません。たしかに、この下げ幅は他のヨーロッパ諸国と比べると小さく見えます。

しかし、著者はバイデン政権の対日姿勢は注目すべきであると述べています。その理由は三つあります。第一に、日米間では3月までに在日米軍の駐留に対する支援、つまり接受国支援(host nation support)に関する新しい合意に達する必要があります。既存の合意は2021年3月31日に失効するので、日米同盟の機能を維持するために、この外交交渉を迅速かつ確実に処理しなければなりません。

ただ、日本政府は在日米軍の基地移転などに関する費用の一部を負担することにもなります。バイデン政権はその負担額を引き上げることを求めることは差し控えると思われますが、日本の防衛予算の段階的な引き上げや、自衛隊の役割を拡大することなどを求めるでしょう。

第二の理由は、バイデン政権が中国に対抗する姿勢を示すため、台湾との関係を強化する可能性が出てきているためです。ここでも日本の政策が関係してきます。現在、日本は台湾と国交を結んでいません。しかし、近年では非政府部門が中心になって日台関係を強化する動きが見られます。

安倍晋三の弟である岸信夫は、菅義偉政権で防衛大臣に就任したことも台湾にとっては友好的なシグナルとして受け止められています。岸は以前から親台湾の立場をとっており、彼が日本政府で防衛大臣に就任したことは、台湾の問題に外国が介入することを拒む中国政府にとっては無視することができません。このような状況でバイデン政権が台湾を支援する姿勢をとれば、日本の米国に対する不安を払拭する効果も期待できます。

ただし、今のバイデン政権にとって最も優先度が高い問題は新型コロナウイルス対策であることを忘れてはなりません。つまり、バイデン政権は対日政策の実施に十分な関心を向ける余力がないかもしれません。これが注目すべき第三の理由です。

著者は、これまでの日本が米国との同盟に加えて、オーストラリア、インドを組み合わせた広域的安全保障関係を強化しようと取り組んできたことを説明した上で、米国もこの地域協力の枠組みを通じて東アジアにおける法の支配、航行の自由、また自由貿易の促進を強化できる可能性があると指摘しています。

全体として眺めるならば、日米両国が前政権の路線を発展させていけば、日米同盟の見通しは決して暗いものではありません。今後、日米関係が再び安定的なものになることは、日本の安全保障にとって有利なことです。

武内和人(Twitterアカウントnoteアカウント

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