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2014年11月12日水曜日

分かると楽しい部隊符号


軍事学の書籍や論文を読んでいると、作戦の状況を図示した地図の中に判読できない記号があることはないでしょうか。

元来、地図とは地表面上の地形地物の相対的な位置関係や形状などの特徴を縮尺、記号化したものですので、多かれ少なかれ記号は用いられているものです。
しかし、軍事学では一般的な地図記号とは別に軍事作戦に関連する情報を図時するための部隊符号というものを使います。

今回は部隊符号の読み方の基礎とその種類についていくつか紹介したいと思います。

部隊符号とは一般に符号、記号、数字、色彩を組み合わせて部隊、装備、施設、行動を表示するものと定義することができます。

部隊符号と言っても、時代や地域によって形式が異なっているのですが、ここではNATOが定める部隊符号をAPP-6Aの内容に沿って説明したいと思います。

まず陸海空軍の各部隊を表す基本符号に以下のものがあります。

左から順に、航空部隊・地上部隊・地上装備・海上部隊・潜航部隊の意味
この区分を応用して味方を青色、敵を赤色、中立勢力を緑、敵味方不明を黄色で区別すると次のような分類になります。

左から順に、敵味方不明の航空部隊、味方の航空部隊、中立の航空部隊、敵の航空部隊
左から順に、敵味方不明の海上部隊、味方の海上部隊、中立の海上部隊、敵の海上部隊
左から順に、敵味方不明の潜水部隊、味方の潜水部隊、中立の潜水部隊、敵の潜水部隊
左から順に、敵味方不明の地上部隊、味方の地上部隊、中立の地上部隊、敵の地上部
色で識別すると分かりやすいのですが、形も若干変化しているのが分かると思います。
ここでは着色した符号で紹介していますが、フリーハンドで地図に記入する際には色を使い分けて線だけで表して下さい。

さらに部隊の規模を表す符号は次の通りになります。
陸上部隊の編成に沿って上から順に組、班、分隊、小隊、中隊、大隊、連隊/団、
旅団、師団、軍団、軍、軍集団、方面軍と規模が大きくなっていきます
例えば、味方の歩兵師団、中立勢力の歩兵師団、敵対勢力の歩兵師団をそれぞれ部隊符号で表すと次のようになります。
(歩兵という職種は基本符号の中の×で表すことができます)
左から順に、味方の歩兵師団、中立の歩兵師団、敵の歩兵師団
もちろん、陸軍の部隊だけではなく、海軍や空軍についても同じような符号があります。
例えば戦闘機を図上に表記したい場合には航空部隊を意味する符号の中にFと記入すると、その意味になります。
左から順に、敵味方不明の戦闘機、味方の戦闘機、中立の戦闘機、敵の戦闘機
ちなみに爆撃機はB、訓練機はT、攻撃機はA、輸送機はCと記入すれば良いので簡単に読むことができます。

海上部隊についても同じ要領で記入することができます。
例えば巡洋艦の存在を記入する場合には次のように記入します。

左から順に、敵味方不明の巡洋艦、味方の巡洋艦、中立の巡洋艦、敵の巡洋艦
戦艦の場合はBB、駆逐艦ならDD、フリゲートはFFというように重ねて記入する覚える際のポイントですが、これも難しく考える必要はありません。
ちなみに航空母艦と潜水艦ですが、これは記号で記入されます。
左から順に、敵味方不明の空母、味方の空母、中立の空母、敵の空母
左から順に、敵味方不明の潜水艦、味方の潜水艦、中立の潜水艦、敵の潜水艦

また複数の艦艇が集まって作戦行動をしている場合には次のように表記されます。
左から敵味方不明の海上部隊、味方の海上部隊、中立の海上部隊、敵の海上部隊
ちなみに海上部隊についてですが、任務部隊(Task Force)または任務群(Task Group)であることが分かっているならば、下にTFまたはTGと記入して識別します。

これらは部隊が存在していることを示す部隊符号ばかりですが、戦闘行動を表すものとして例えば次のようなものがあります。
部隊の陣地の中でも最も前面に位置している最前線の意味
特定の地域を部隊によって占領していることを表している
特定の地域を複数の部隊によって占領していることを表している
地上戦闘で上の矢印が助攻、下の矢印が主攻を表している
まだこれらはほんの一部なのですが、この程度の例示で留めておきたいと思います。

要望があれば、また部隊符号については少しずつ紹介していければと思います。専門的に研究してみようと思われる方は下記の文献からぜひAPP-64に触れてみて下さい。

KT

参考文献
U.S. Department of Defense. 2007. Common Warfighting Symbology, Washington, D.C.: Government Printing Office.

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