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近代的国家の成立と軍隊の官僚化

政治学、社会学、宗教学に業績を残したマックス・ウェーバーの著作には軍隊の歴史に関する記述が数多く見出されます。ウェーバーは近代的国家の成り立ちに関心があり、その関係で国家と軍隊の関係を分析する必要があったためです。 今回は、ウェーバーの議論の中でも近代国家と軍隊の関係を説明した部分を紹介したいと思います。 ウェーバーの近代国家論 ウェーバーは古代、中世、近世を経て近代的な国家が誕生する過程を概観し、近代の国家の最大の特徴に官僚制を挙げました。 その官僚制は、法令によって明確な権限が規定されていること、上級官庁による下級官庁の監督という階層制が確立されていること、そして職務の執行が全面的に文章によって定められており、文章主義が徹底されていることなどによって特徴付けられます(ウェーバー、2012年、221-225頁)。 このような官僚制の導入が成功するためには、その国内で貨幣経済が先行して成立していること、そして行政事務の拡大と複雑化も導入の要因となります(同上、237-255頁)。 このような官僚制国家の形成こそがウェーバーの考える近代国家の成り立ちでありました。 「官僚制構造は、首長の手中に物的経営手段が集中するのとあいたずさえて発達する。この物的経営手段の集中は、私的資本主義的大経営の発展のうちに周知の典型的な仕方で見られるのであって、大経営の本質的特徴はまさにその点に存している」(同上、269頁) 軍隊の歴史における官僚化の過程 ウェーバーはさらに、この官僚化こそが近代的軍隊の成り立ちで重要な側面であったことを論じています。つまり、古代や中世までの軍隊の多くが武器や糧食の多くは兵士たちの個人的、私的な負担で調達されていましたが、近代以降の軍隊(そして近代以前にあった官僚制的特徴を持つ軍隊)だと公的支出によって負担されるようになったのです。 「しかし、公共団体の場合にも、事情は同様である。官僚制的に指揮されたファラオの軍隊、ローマ共和制後期及び帝政下の軍隊、とりわけ近代の軍事国家の軍隊は、農業部族の土民軍、並びに古代都市の市民軍及び初期中世都市の民兵隊、また一切の封建的軍隊に比べると、次の点で特徴付けられる。すなわち後者にあっては軍役義務者の武装自弁と糧秣自弁とが常態であるのに、官僚制的軍隊にあっては、装備と糧秣は首長の倉庫から支給...