今回、紹介したいのは米陸軍の統合幕僚学校で行われた民間軍事会社(Private Military Company)の軍事的な有用性に関する研究論文です。 民間軍事会社の認知度は日々高まっていますが、それが軍事的な観点から見てどのような問題があるかが検討されています。 Wallwork, R. D. 2005. ''Operational Implications of Private Military Companies in the Global War on Terror,'' Monograph, School of Advanced Military Studies, Fort Leavenworth, KA: U.S. Army Command and General Staff College. 著者がこの論文で検討しているのは、特に対テロ作戦のような低強度紛争において民間軍事会社どの程度の有用性を持ちうるかという問題です。 企業がますます作戦行動に参加する度合いが増している一方で、その能力が過大に評価されていることを著者は懸念しています。 というのも、民間会社を部隊として運用する軍事教義の研究開発がそれに追いついておらず、適切に指導監督する方法も十分に確立されているとは言えないからです。 著者は民間軍事会社が持つ作戦上の有用性を評価するために、経営学で用いられるSWOT分析(Strength, Weaknesses, Opportunities, Threatsの略)を使っています。 これは企業の対内的な強みと弱み、環境的な機会と脅威という四つの観点から経営戦略を評価する枠組みで、その分析結果として次のことが報告されています。 まず著者は民間軍事会社の能力を考えれば、非常に戦術的な役割を果たすものに過ぎないが、これは事実上の対外政策の手段としても利用することが可能である点を評価しています。 もし政治的な理由で直接的に部隊を派遣することができない場合えも、民間軍事会社を通じて間接的に部隊を現地に派遣することができるということです。 特に著者は民間軍事会社の即応体制は通常の軍隊と比較しても優れており、例えば主力の到着の前に実施する情報収集を目的とした現地偵察のような任務においては、迅速...
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