軍事用語では、機雷敷設と機雷掃海をまとめて機雷戦(mine warfare)といいます。 つまり、機雷戦とは機雷を使おうとする側と、それを除去しようとする側との攻防であり、一見すると地味な活動と思われるかもしれません。 しかし、大型艦艇でも一撃で行動不能にできる大きな威力を機雷が持っていることを考えれば、これを軽視すべきではありません。 今回は機雷戦について理解を深めるため、最近の中国海軍が機雷戦に関する能力をどれほど改善させているのかを調べた研究を取り上げ、その内容の一部を紹介したいと思います。 文献情報 Andrew S. Erickson, Lyle J. Goldstein, and William S. Murray. 2009. "Chinese Mine Warfare: A PLA Navy Assasin's Mace Capability," China Maritime Studies , No. 3, Naval War College.(河村雅美訳『中国の機雷戦 人民解放軍海軍の「暗殺者の戦棍」能力』海上自衛隊掃海隊群、2010年) 中国海軍が持つ膨大かつ多様な機雷 米海軍の掃海艦ガーディアン。2013年の座礁事故で除籍解体された。 掃海艦とは、基本的に着上陸作戦などに先立って水深が浅い海域で掃海を行う艦艇であり、磁性を最小限にするなどの必要から船体の構造と素材ともに他の艦艇の設計と大きく異なっている。 この研究成果が取り組んでいるのは、中国海軍が機雷戦を非常に重視する傾向にあることを明らかにすることです。 著者らの分析を読むと、中国海軍の関係者は、海上作戦を遂行する上で、開発や運用が比較的やさしい機雷戦の能力を重視するようになっていることが指摘されています。 しかし、軍事的観点から中国海軍の機雷をどのような脅威と考えればよいのでしょうか。 まず、著者らは中国が現在保有する機雷は公表されていないものだけでも5万-10万個の規模であると報告しており、さらにより多くの機雷を隠し持っている可能性があるとも述べています(邦訳、10頁)。 中国海軍が保有する機雷は、その種類が多いことも重要な特徴であり、触発、磁気、音響、水圧、複合感応機雷、管制機雷、ロケット上昇機雷、自走機雷...
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