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国家の政策を支配する政治の論理

ある国家がどのような政策を選択するのかを予測する技術を政策予測(policy forecasting)といいます。 さまざまな政策課題がそのまま放置されたり、また有権者の思いとは正反対の政策が選択される事態を目の当たりにし、なぜこのような政策が決定されるのか不思議に思うことが少なくありません。 こうした問題を検討し、将来選択される政策を検討し、国民のより良い政治的意思決定を助けることが政策予測の趣旨です。 とはいえ、政策予測に関する考え方は政治学者の間でも十分にまとまっているとはいえません。 定性的判断に基づく予測もあれば、シミュレーション分析、統計的分析に基づく予測などがあるのですが(Armstrong 2005)、そもそも予測としての精度が十分に確保できていないとの指摘もあります(Tetlock 2005)。 今回は、こうした政治的意思決定に基づく政策を予測するための理論研究として支持基盤理論を取り上げ、政治体制が政策を予測する上で重要な要因であることが説明されていることを紹介したいと思います。 支持基盤理論とは何か ナポレオンの戴冠式。支持基盤理論の最大の特徴は、権力者として生き残ることが政治家にとって最大の関心事と見なすことで、さまざまな政治的意思決定に一貫した説明を与えることができることを示したことにある。政治家は国家の繁栄のような「公益」に基づいて行動するのではなく、自らが政権を掌握し続けるために行動を起こす、という考え方は支持基盤理論が構築される以前から政治学にあった考え方であるが、支持基盤理論はその理解をさらに理論的に拡張した意味で重要であった。 支持基盤理論は、米国の政治学者であるブルース・ブエノ・デ・メスキータ(Bruce Bueno de Mesquita)、アラスター・スミス(Alastair Smith)、ランドルフ・シヴァーソン(Randolph M. Siverson)、ジェームズ・モロー(James D. Morrow)によって構築された政治理論であり、「政治的指導者はいかなる目標を達成するためにも、政権の座を維持することが必要とされる」という前提から出発し(Bueno de Mesquita, et al. 2003: 7)、そこから財政、公共事業、海外援助、反乱、戦争、民主化などさまざまな事象に一貫...