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文献紹介 ジョン・ボイドの空軍戦術

空軍の戦術を語る上でジョン・ボイド(John R. Boyd)の研究を避けて通ることはできません。 現在でも各国の空軍においてボイドが確立した戦術理論が教育されていることを考えれば、その影響はどれほど大きなものであったのかが分かります。 今回は、ボイドの著作の要点を紹介し、空軍戦術の基本的な論点について概観してみたいと思います。 文献情報 Boyd, John R. 1964(1958). Aerial Attack Study , Rev. Maxwell: Air University Library. ボイドの軍歴は1945年に米陸軍に入隊したことに始まりますが、戦闘機の操縦士としてその能力を発揮するのは1951年に再入隊した後のことでした。 朝鮮戦争の航空戦でボイドはF-86の戦闘機の操縦士として実戦を経験し、後に配属された米空軍武器学校で教官として戦術の研究に着手します。 ボイドは操縦士として優れた能力を持っていただけでなく、それを理論として体系化する能力も兼ね備えており、今回紹介した『航空攻撃研究』はその研究成果をまとめたものでした。 ジョン・ボイド(1927-1997)は米国出身の研究者。 米空軍で戦闘機操縦士として朝鮮戦争での作戦に参加した経験を持つ。 その優れた研究成果は、その後の空軍戦術に大きな影響を与えた。 まずボイドは対航空戦の戦術には、戦闘機と爆撃機の交戦のための戦術と、戦闘機と戦闘機の交戦のための戦術、という二つの異なる局面があると考えました。 戦闘機と爆撃機が戦う場合、機動力に優れた戦闘機がいかに爆撃機という目標を効果的に攻撃するのかが戦術の問題となります。 しかし、戦闘機と戦闘機が戦うとなると、互いに相手を攻撃するため積極的に機動するため、より詳細な戦術の分析が必要となります。 つまり、ボイドは空軍の戦術を研究を始める上で、非機動性の目標に対する攻撃と、機動性の目標に対する攻撃という二分法で考えることから始めたのです。 一般に空軍士官たちは敵機の背後に自機を占位させることこそが、戦術の最も重要な要素であることを既に知っていました。 ボイドもその有名な原則を自らの考察に取り入れていますが、そこから発展させてボイドは戦闘機の操縦士にとって爆撃機を攻撃する場合と戦闘機を攻撃する場合では...