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砂場で戦術を考えてみる

誰でも公園にある砂場で遊んだ経験があると思います。砂を固めて山を作ったり、トンネルを掘る作業はシンプルですが創造性を刺激される遊びです。 しかし、こうした砂場は遊び場として使えるだけでなく、戦術の研究や教育にも活用できる優れた教材でもあるのです。 駐屯地見学などで砂盤演習を見学したことがある人を除けば、そもそも砂盤演習とは何かということも想像しにくいと思います。 今回は、砂盤(sandtable)とは何か、それはどのように行うことができるのかについて簡単に説明したいと思います。 砂盤演習とは何か 戦争を図上で研究する試みは古代にまでさかのぼることができますが、近代以後において砂盤演習が明確に戦術教育に導入されるようになったのは19世紀から20世紀のことでした。 一例として、1920年以降のドイツ軍ではすべての駐屯地に配備されており、1個大隊につき2つの砂盤が戦術の研究、教育で利用されていました。 なぜ、この時期から砂盤が積極的に利用されるようになったかと言えば、それは大量の人員に戦術教育を行う必要が出てきたことと関係しています。 ちょうど20世紀初頭は技術の発達が進み、戦場で発揮される火力が激増した時代です。 そのため、従来までの密集した戦列に基づく戦術は再検討され、第一線で戦う部隊を散開させてより柔軟に行動させる必要があると考えられるようになります。 しかし、そのことは第一線で戦う下級士官、下士官、そして兵卒に戦術的な判断力を持たせることが必要でした。 そこで効果的に戦術を教育するための教材として砂盤が重視されるようになったのです。 砂盤演習の要領 カナダ軍による砂盤演習の準備作業の様子。 ノルマンディー上陸作戦の準備に当たり、ジュノ・ビーチの地形と独軍の防御陣地を再現している。 砂盤演習は基本的に陸軍の分隊、小隊、中隊などの行動を研究するためのものであり、それ以上の規模の部隊であれば砂盤を使う意味はあまりありません。 砂盤の最も重要な特性は地形を立体的に再現することによって、敵と味方がどのような視界、射線をえているのか、どのような地形地物を遮蔽、掩蔽に利用することができるのかを考察するためのものです。より大規模な部隊の戦術でそのような事項は問題とはなりません。 砂盤の大きさや縮尺に特に決まりはありませ...