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攻撃ヘリコプターの編成と運用

現代の陸上作戦で戦闘力を発揮するためには歩兵や機甲などの兵科を組み合わせ、高度な戦闘力を発揮する諸兵科連合が重要となっています。その中でもヘリコプターが重要な任務を遂行するようになっています。 今回は、米陸軍において攻撃ヘリコプターがどのような役割を担っているのかを概観してみたいと思います。 攻撃ヘリコプター部隊の編成 米陸軍では攻撃ヘリコプターは攻撃偵察大隊(attack reconnaissance battalion)で運用されており、これは戦闘航空旅団の下に2個編成され、攻撃ヘリコプターであるAH-64Dだけで編成される場合と、観測ヘリコプターであるOH-58Dだけで編成される場合、そして両者を1個ずつ組み合わせて編成する場合があります。 米陸軍における攻撃偵察大隊の標準的な編成。 上がAH-24を配備した場合の編成であり、下がOH-30の場合の編成である。 (FM 3-04.126: 1-6) AH-64Dを配備した攻撃偵察大隊について説明すると、まず1個の本部管理中隊(Headquarters and Headquarters Company, HHC)、1個の前方支援中隊(Forward Support Company, FSC)、そして3個の攻撃偵察中隊(Attack Reconnaissance Companies, ARC)、1個の航空整備中隊から構成されます。それぞれの攻撃偵察中隊には8機のAH-64Dが配備されることになるため、合計で24機のAH-64Dが配備されることになります(FM 3-04.126: 1-5)。 攻撃偵察中隊(ARC)・攻撃偵察隊(ART)の編成表。 攻撃偵察中隊(上)は2個の攻撃偵察小隊から編成され、AH-64Dが4機ずつ配備。 攻撃偵察隊(下)も2個の攻撃偵察小隊から編成され、5機ずつOH-58Dが配備。 (FM 3-4.126: 1-8) 以上で攻撃偵察大隊から攻撃偵察中隊、そして攻撃偵察小隊に至る編成の概要が分かったと思いますので、次に個々の攻撃ヘリコプターの運用に関して見ていきたいと思います。 攻撃ヘリコプターの運用について 攻撃ヘリコプターは純粋に技術的観点から見れば航空機の一種ですので、陸上で戦う陸軍に攻撃ヘリコプター部隊が編成されていることが不合理に思われ...

論文紹介 対ソ戦略とヘリコプターの機動力

第二次世界大戦後の陸上作戦においてヘリコプターが果たしてきた役割は非常に大きなものがあります。 ヘリコプターの技術は1937年にドイツで開発に成功しましたが、実戦で本格的な使用を始めたのはベトナム戦争を戦っていたアメリカでした。 ベトナム戦争の経験からヘリコプターが地上戦で有用であることが明らかになると、ヨーロッパ各国では来るべきソ連軍との戦争でヘリコプターを活用できないか検討が進められることになります。 今回は、1970年代初頭にヘリコプターがソ連軍との地上戦で果たすであろう役割に関する論文「ヘリコプターと地上戦:ベトナム戦争での経験から」を紹介します。 文献情報 Trueman, H. P. 1971. "The Helicopter and Land Warfare: Applying the Vietnam Experience." Moulton, J. L. ed. Brassey's Annual, The Armed Forces Yearbook . 著者はイギリス軍の軍人であり、ベトナム戦争で活躍したヘリコプターの能力をイギリス陸軍としてより活用するためには、どのような作戦構想が考えられるのかという問題に関心がありました。 とはいっても、ベトナムとヨーロッパではそもそも作戦の環境が異なる点があることについて著者は留意する必要があるとも考えていました。 「ベトナムにおいてヘリコプターが果たした役割の大部分が、ヨーロッパの環境だと適用できないことは極めて明らかである。しかし、逆説的に言えば、ヘリコプターの活動が制限されることによって、味方の前線に加えられる(ソ連軍の)脅威の一部が緩和され得るかもしれない。(ヨーロッパとベトナムの)最も顕著な相違点として、ベトナムでは空中に敵な脅威が存在しなかったのに反して、ヨーロッパでは極めて強力なその脅威が存在することを予想しなければならないことである」 ベトナム戦争で北ベトナム軍の航空勢力が問題にならなかったという評価をしている点については著者は事実を誤認しているかのような印象を受けます。 しかし、北ベトナム軍と比較すればソ連軍との戦争ではより強力な飛行隊の脅威を受けることになることは確かであり、著者は西側各国の操縦士たちが非常に高い水準の技能を身に...