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論文紹介 海洋戦略の観点から見た日本の島嶼防衛

現在の日本が採用している防衛戦略は、武力攻撃に際して米軍が早期に来援できることが前提となっているため、沖縄に位置する米軍基地を敵から防護し、増援部隊が速やかに沖縄に展開できる状況を創出することが重要です。つまり、南西地域の島嶼部を防衛することが自衛隊の任務となります。 今回は、海洋戦略の視点からこの南西諸島の防衛に当たって日本がとりうる戦略を研究した研究ノートを取り上げ、その要点を紹介してみたいと思います。 文献情報 Sayers, Eric. 2013. "Coastal Defense in Japan's Southwestern Islands: Force Posture Options for Securing Japan's Southern Flank," The Project 2049, Futuregram , 13-001, pp. 1-8. 海洋戦略から見た日本の防衛戦略 近年、中国が海洋への進出を活発化させていることを受けて、2010年に日本はこれに対抗するために南西地域を防衛の重点地域に定めたことはすでによく知られています。 この論文はこの問題を考察するためにティル(Geoffrey Till)という海洋戦略の研究者の説を参照しています。 ティルの研究によれば、海洋に面した国家がその国土を防衛する上で考慮すべき事項として、第一に抑止、第二に沿岸防衛、第三に沖合防衛、第四に水際防衛が挙げられています。戦略上の防衛線を海上から段階的に陸上に移行させながら抵抗するという考え方が求められるということです。 著者はこのティルの多層的な防衛線の考え方を応用し、日本が南西地域を防衛するための戦略を次のように分類して考察しています。 (1)トリップワイヤ的抑止戦略 (2)非対称性「モスキート艦隊」戦略 (3)包括的「領域拒否」戦略 トリップワイヤ的抑止とは (1)は、南西諸島それ自体を防衛線とする案として位置付けることができます。すなわち、洋上監視能力の強化と離島に配置する地対艦ミサイルを組み合わせることで、島嶼部に進出する敵艦隊の接近を早期に察知すると同時に、これが東シナ海からフィリピン海に進出することを地上から妨害するという構想です。 南西諸島の地勢図。 九州と台...