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学説紹介 アリストテレスが語る、政治の逆説的論理

政治学を一般化するならば、それは国家を統治するさまざまな技術を研究する学問であり、国家を政治的に安定化させ、内戦や反乱が発生することを未然に防止する方法もその研究対象に含まれています。 今回は、アリストテレスの政治理論を中心に国家の安定を促進する技術に関する説明を紹介したいと思います。 政治の要諦は上流階級と下流階級の利害調整にある アリストテレスの説によると、ある国家で内戦や革命が起きる原因は財産や地位の配分方式に不平等があることです。 つまり、その国家の構成員の間で地位や資産の配分方式について著しい不公平感があると、その不公平を是正し、適正な配分方法を再設定するために、武力または謀略という手段を行使して内戦、反乱などの政情不安が引き起こされるということです(邦訳、205頁)。 アリストテレスはこのような問題が生じる背景には、あらゆる国家で資産を多く持つ上流階級と、資産をあまり持たない下流階級がさまざまな割合で存在していることが関係していると指摘しています。 上流階級に属する人々は自分たちの能力を下流階級の人々より優れていると考える傾向があるため、平均よりも多くの富が配分される制度を要求しがちです。 それとは反対に下流階級の人々は本来であれば自分たちと平等であるべき上流階級の市民たちが、自分たちよりも多くの富の配分を受けていると考えたがる傾向を持っています(同上、210-11頁)。 その結果、両者が共通の政策を決定し、国民一体となって行動を起こすには、上流階級と下流階級の利害を巧妙に調整する技術を用いることが権力者にとって不可欠となるのです。 民主制では上流階級に、寡頭制では下流階級に配慮せよ 次に、その具体的な対策を明らかにしなければなりませんが、アリストテレスはその国家の政治体制が民主制なのか、寡頭制なのかによって権力者は異なる対策を選択すべきだと論じていました。 その議論によれば、政治体制が民主的であるほど、少数の上流階級の利益を重視するべきであり、反対に政治体制が寡頭的であるほど多数の下流階級の利益を重視しなければならないことが主張されています。 これは一見すると、政治体制の特性に反して逆効果のようにも見えますが、アリストテレスがこのように主張したことには理由があります。 「貴族制国家のなかには、いや...