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論文紹介 下士官はいかに軍隊を支えてきたか―歴史的考察

軍人の階級は士官、下士官、兵卒の三種類に分類できることは、広く知られています。 しかし、下士官が士官と兵卒の中間においてどのような役割を果たしているのかは、それほど広く知られていません。 今回は、歴史的観点から下士官の役割を考察するため、米軍の歴史における下士官の制度の発展を調査した研究について紹介したいと思います。 論文情報 Arms, L. R. 2009. "The NCO: A Short History," NCO Journal , 18(1): 14-20. 創設期のアメリカ軍における下士官の位置付け 米国の歴史で下士官の重要性を最初に明確にした著作は、1778年にシュトイベン(Friedrich von Steuben)が出した『合衆国軍の組織と規律に関する規則(Regulations for the Order and Discipline of the Troops of the United States)』であり、これによって下士官の任務がはじめて体系的に整理されました。 元プロイセン陸軍大尉だったシュトイベンはヨーロッパでもともと就職活動をしていたのですが、最終的にアメリカ独立戦争でイギリス軍と戦っていたアメリカ大陸軍に入隊を果たし、ワシントンの部下として訓練計画や教範作成に携わります。 業務を通じてシュトイベンはアメリカ軍に決定的に欠けているのは下士官であると強く認識するようになります。 先ほどの著作は当時では単に「青本(Blue Book)」と呼ばれたもので、そこでシュトイベンは下士官の階級を伍長(Corporals)、軍曹(Sergeants)、曹長(First Sergeants)、需品軍曹(quartermaster sergeants)、先任曹長(sergeants major)に区別し、それぞれの任務を次のように規定しました(Arms 2009: 14) ・先任曹長 連隊付の副官の業務を補佐し、部隊の名簿を管理し、部隊の内情を掌握し、連隊の対内的な管理や規律に関する問題を処理する。 ・需品軍曹 連隊の需品科士官の業務を補佐し、適切に所要を見積り、行進における連隊の物資の輸送を監視する。 ・曹長 部隊において規律を保ち、任務の遂行を確実にする。また部隊の名簿を管理す...