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2014年2月26日水曜日

国際関係を動かす外交術の力


国際関係論、国際政治学と呼ばれている研究の大部分は外交に関係しています。
外交は国際関係の最も基本的な要素であり、国家の代理人として派遣されている外交官の仕事です。

外交史において現代のような外交の仕組みを最初に導入したのはフランスと言われています。
16世紀後半から17世紀前半にかけてフランスの対外政策を指導したリシュリュー枢機卿は、ヨーロッパ各地に使節を派遣し、共同作戦の打診や情報収集に従事させることが非常に役立つことを知りました。彼の著作『政治的遺言』には次のような記述があります。

「凡人の頭では生まれ故郷の国境の外側まで思考が広がらない。しかし、もう少し知性に恵まれている人間は遠隔の地にも防衛を施せるようにあらゆる手段を尽くす」リシュリュー

リシュリューの外交術は現代の常識から見れば当然の処置ですが、当時はまだ外交の重要性が広く認識される前の時代のこともあったのです。しかし、こうした外交術の原型が確立された後も、優れた手腕を持つ外交官を安定的に養成することは非常に難しいという問題に直面しました。
外交という仕事を深く理解するための手引きとして、またプロフェッショナルとして外交官の職業を認知させるために、外交理論の研究が進められるようになります。

17世紀後半に活躍したフランソワ・ド・カリエールは次のような言葉を残して外交の重要性を説明しています。

「ヨーロッパ諸国に配置された選り抜きの少数の交渉官は彼らを派遣する君主ないし政府に対して大いに役立つことができる。彼らはしばしば軍隊を維持するにも劣らない効果をわずかな費用で挙げる。なぜなら、彼らは任地の軍隊を主君の利益になるように行動させる技術を心得ているからであり、近くや遠くの同盟国がちょうどうまい時期に牽制のための作戦行動をしてくれるほど有益なことはないのである」カリエール

ここでカリエールは優れた外交術によって軍事的優位を確保することができることを説明しています。これは国際関係において誰が敵、味方、中立なのかを前提としている古典的な軍事戦略からは決して導き出せない議論です。
外交はあらゆる国家の利害関係を把握しながら敵と味方、中立という構図を作り出し、国際関係において自国が決して不利な関係に陥らないように処置する活動なのです。

したがって、外交を理解するためには敵や味方という概念は適当ではありません。
「国家には永遠の敵も永遠の味方もいない」というのが外交術の基本原理となっているのです。

KT

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